| 癒しの歌メロデイー 鹿児島小原節 鹿児島県民謡 花は霧島 たばこは国分（こくぶ） 燃えて上がるは オハラハー桜島 見えた見えたよ 松原越しに 丸に十の字の オハラハー帆が見えた 雨の降らんのに 草牟田川（そむたがわ）濁る 伊敷原良（いしきはらら）の オハラハー化粧の水 |
| 鹿児島人は南国的で陽性、気性の激しい「薩摩隼人」のようなタイプが多いというのが、県外のおおかたの評である。 いや、そんなに単純ではないよ、気の弱い人も柔和な人も、つまり非「薩摩隼人」タイプもいるよと応答しても歴史の固定観念とは始末に負えぬもので、鹿児島県人とは〝九州男児〟の最右翼でないと座りが悪いらしい。県内でも旧世代の多数派が、そう信じて疑わない。 その頑固さは、なお「薩摩隼人」 の末裔が健在だと言うべきだろうか。 いわゆる県民性とは、つまるところ他国との交流がなかった幕藩体制下で培養されたものの謂であろうから、わが「薩摩隼人」も鹿児島県民性の代表には違いあるまい。 「薩摩隼人」は、鹿児島のシンボル桜島みたいな存在だろう。連日ドカンドカンと空高く噴煙を噴き上げる勇壮な姿は、蒙放磊落、竹を割ったような性格の「薩摩隼人」像にそっくりだ。しかし、それはあくまで遠景。近寄ってみると山肌は長い年月の風雨に打たれ傷つき、いびつになり、怒りと悲しみを包んでいる。 南九州の住人が隼人と呼ばれたのは古く奈良時代からで、当時しばしば大和軍と戦って勇名をはせた。しかし、それが後代〝勇猛果敢な薩摩隼人〟に収斂するのは、関ケ原敗戦のあと南九州に封じ込められた薩摩藩独特の「郷中教育」の結果であり、明治維新とそれに続く悲劇の西南戦争で増幅されたようだ。 「郷中教育」は要するに、朱子学の忠孝仁義にもとづく士族子弟の集団教育であった。この時代、どこの藩でも同じような封建制イデオロギー教育はあっただろうが、薩摩藩の場合とくに心身鍛練の実践を重んじ、掟に反すれば打首、仲間外しの極刑に処したと伝えられるように、より徹底していたらしい。なぜ、こんな厳しい厳しい集団教育が必要で、かつ可能だったのだろうか。それはたぶん南九州の絶対的貧しさと、実質より格式を重んじた薩摩島津藩体制に起因すると思われる。南九州は全国でも類のないシラス地帯である。二万ー五方年前に噴出堆積した火山灰土で保水性はゼロに等しく、シラスといえは不毛の地の別名である。これが鹿児島県本土のなんと五二％をおおい、層は厚いところで百数十メートルに達し、いわゆるシラス台地となっている。 稲作などとても無理で、農地として利用されだしたのは荒地でもなんとか育つカンショが渡来した江戸中期以降であった。加えて南九州は、〝台風銀座〟である。毎年きまって数個の台風が実りの秋を直撃した。シラス台地の周縁に、わずかに開けた水田が壊滅状態になる年も珍しくほなかった。島津藩は公称七十七万石。天下第二の雄藩と称していた。だが実際はモミ高で、他藩のように玄米高にすると半分の三十万石の経済力しか持たなかった。これは大いなるカラクリであった。薩摩藩は関ケ原で敗けた時点から三百年も〝虚構の大藩″だった。その格式の推持に、領内での八公二民、植民地・奄美での黒糖の苛政があった。 こんな歴史風土を、まとめて克服するには「郷中教育」 の精神主義しかなかったのかもしれない。明治維新で東京にでた連中のほとんどは、東京に本籍を移し、再び故郷へは帰らなかった。長州人が郷土に本籍を残したのと好対照である。いかな「薩摩隼人」もシラスの風土からは脱出するのがベストだと長い経験から知っていたに違いない。 鹿児島は一方で、海に開いている。南方からの文化、情報を黒潮が運んできた歴史を持つ。 イモと鉄砲はその代表格だが、海外交流を通じての開放的な性格も鹿児島人の特徴だろう。それはいつも地下水脈にあり、歴史の節目に花開いた。最後に奄美は、県本土とは風土、文化に相当の違いがある。政治的に長く抑圧された中で 「きゅら（しゅら）＝美しい」文化を持っているのを付け加えておきたい。 アイヌ語や琉球語を別格とすれば、鹿児島弁ほど難解な方言は少ないだろう。特殊な単語や特有のアクセントばかりではない。気が短く、気性の荒い県民性を反映してか、日常の会話でも語尾の音節をほとんど省略したり、音便などがやたらと多く、難解さに拍車をかけている。たとえばケケケケ。県外の人は鹿児島でこんなふうに話しかけられたらキツネにつままれたような気分になるだろう。だが、これは薩摩鳥なんかの鳴き声ではなく、れっきとした鹿児島弁である。標準語た翻訳すると「ケ（貝を）ケケ（買いに）ケ（来い）」となる。現在の鹿児島弁が形成された江戸時代は、薩摩藩でも小地域単位で色濃い地縁血縁社会が営まれていた。そこでは自分たちの集団を守り、他地域を差別する言葉も生まれているが、好ましい人物、そうでない者の呼び方の表現が多彩である。もっとも名高いのが、ポッケモン。ふつう豪傑という意味で、尚武の国では肯定的な人物だった。現代になると、その属性である乱暴者、粗野、直情径行、単純さに否定的な見方も加わっているが、いぜん薩摩男児の、ひとつの理想像とみなされる。ポッケモンの反対がヤツセンボ（弱虫）で、その極端な者がヒッカブイ（臆病者）であり、もっとも軽蔑された。厳しい集団教育と苛酷な自然。不毛のシラス台地と阿った薩摩隼人より パワーストーン広島 / パワーストーン水晶天然石 次は安里屋ユンタ
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