自然界に存在する元素のうち最も原子番号の大きい（陽子数の多い）元素はプルトニウムで、これより大きい元素は自然界には存在しません。それは、プルトニウムの原子核（陽子数ｚ＝９４個、中性子数N＝１５０個）より大きい原子核が自然界には、安定に存在しないということです。「核力」と呼ばれる力が核子と核子を結合させて原子核が形成されていますが、この力だけならいくらでも大きな原子核ができてもよいことになります。 そうならない理由は二つあります。 ひとつは、陽子と陽子の間に「ク−ロン力」と呼ばれる互いに反発する力が作用するためです。 原子核が大きくなって陽子の数が増えると、同時に反発力が大きくなり、原子核はバラバラになり、 そのため巨大原子核はできないのです。
たった９４種の元素
元素、原子、生き物である生物と、生命を持たない物質には、明らかな違いがあります。生物は生命活動を続け、平均的寿命の後、老化して終わりの時が来ることになります。物質は自らの活動というよりは環境に強く支配されて時が経過していきます。
しかし、生物と物質とで共通している点があります。
それは、水素（Ｈ）からプルトニウム（Pu）までの、わずか９４種類の元素（原子）の組み合わせからできているということです。
不思議な遺伝や生命現象、身の回りのものなど、すべてこの９４種の原子が織りなす結果にほかなりません。（物質を造る基本要素を元素と言いますが、基本要素の内部構造や定量的、物理的性質に注目する場合は原子と言います。）
こういう言い方に異論のある人がいるとしたら、その人は、物質をかたち造っている「もと」は元素ではなく、元素より小さな「クオ−ク」と呼ばれる素粒子や「電子」だというでしょう。
さらにクオ−クよりも小さい粒種があるかもしれません、そういう人は物質の階層のことを知っている人でしょう。
元素の表し方
天然の元素のうち、最も軽い元素（原子）は原子番号一番の水素Hで、最も重いのは９４番のプルトニウムPuです。
原子の番号は、その原子の中心になる原子核にふくまれる陽子の個数をもって表しています。だから、陽子を９５個以上もつ原子は自然界には存在しないということです。
↓ここに59 ↓ここにA
元素はたとえばコバルト27Co32のように ｚXNという形で表記します。 Xは「元素記号」、Zはその元素のもつ陽子の個数で「原子番号」と呼びます、原子が電気的に中性になっているので、原子番号Zの原子はZ個の電子をもつことになります。
Nは中性子の個数、A＝Z+Nは「質量数」と呼びます。
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| 活性酸素（酸化）の原理 |
電子は陽子や中性子の重さ（正確には質量）に比べると１/２００位の質量しかもたないので、元素の質量は、その元素の原子核に含まれる核子の質量でほぼ決まり、A=Z+N質量数と呼ぶのです。自然界に９５番以上の元素が見つからないのは、初めからできなかったのか、できてもすぐに壊れてしまったのかわかっていません。自然界の元素の種類が初めから九十四種類だということは、理論的に、あるいは実験ですぐに証明できるというようなことではありません。
われわれが経験できることのうち最も美しいものは神秘である。
この神秘を初めて経験するときは、不思議だと思う気持ちも消え、ただ畏敬の念で立ちすくんでしまい、まるで死んだようになる。 まぶたを閉じたままね アインシュタイン |
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