病気の原因はなにかの食べ物にあるとか、これを食べれば病気にならないなどと、毎日のようにテレビや雑誌で紹介されます。
これは結局、現代医学が陥ってしまった大きな落とし穴でもあり、ゴッホが細菌を発見して以来、何かの病気には必ず何かの原因があるというような考え方が支配的です。
しかし、いままでメルマガで見てきたように、わたしたちのからだはそんなに簡単に答えが出せるほど単純な作りではありません。
ですから、ある特定の食べ物、ある方法だけで人間を健康に保とうということは、不可能なことだと思われます。コレステロールが高いのは、コレステロールの多い卵をたくさん食べているからだと、単純に割り切れるものではなく、 食べ物だけを健康のよりどころにしたり、スポーツをすることを健康の秘訣と考えてしまいがちですが、からだの中の物質がこれほど多く複雑にからんでいることを知れば、そんなシンプルなものではないことが、わかっていただけたのではないでしょうか。
健康でありたいというのは、現代人のもっとも突出した願いであるような気がします。 少し前なら自分の家を建てることが、多くの人にとって人生の大きな夢でした。けれどバブルの崩壊で、不動産という絶対的な評価を持ったものも価値がなくなることがある、ということを知ってしまいました。しかし、わたしたちはなぜあのころ土地だ建物だと右往左往したのでしょう。
ある意味では、自分の土地を持てるということで、後世へ自分を伝えることができるような錯覚に陥ってしまったのではないでしょうか。
錯覚としても幸せだったのかもしれません。
いまは目先の目標がぼんやりしています。そうなると、肉体だけは健全でありたい、病気はしたくないということに意識が向いてきます。健康グッズ、健康法など、ちょっと話題になるとすぐに飛びついてしまいます。しかし、そこには本当の健康はありません。メルマガで述べてきたことは、結局、本当の健康を得るためには自分のからだに協力してもらわなければ無理だということなのです。逆にいうと、からだに協力してもらえるような日常生活を自分のものにすること。それが本当の健康へとつながるただひとつの道なのではないでしょうか。人はみな自分の中に健康になるための薬をたくさんもっています。まだまだ知らない物質もたくさんあるのでしょう。
大切なのはそれらの物質を常によい方向へ活性化させるような日常生活を送ることで、それはさほど難しいことではないような気もします。要は自分のからだに優しくなってあげることではないでしょうか。無理な仕事、不規則な生活、栄養のバランスを無視した食事、ストレスの多い状態、そしてすぐ薬に頼るような姿勢。自分のからだをいじめるような習慣をすてたとき、わたしたちの自然治癒カは素晴らしいカを発揮してくれるでしょう。怪我が自然に治っていくということは、当たり前のようで実に不思議です。この自然に治るというからだの不思議は、まだまだすべて解決されたわけではありません。しかし、科学の進歩でいままでは見えなかった極小の世界を目にすることができるようになりました。するとそこには、いままで自然現象として考えられていたものを化学的につかさどってている多くの化学物質があったのです。からだの中のさまざまな物質を調べていくと、そのメカニズムの不思議さに感心させられます。わたしたちはそれを意識もせずに毎日生きているわけですが、まるで、からだの中にまったく別な組織が存在して、それが常に監視し、コントロールしているようにも見えます。しかし、無意識とはいえ、からだをコントロールしているシステムには、わたしたちの日常生活のさまざまな心の問題、からだの疲労、食べ物、習慣などが微妙に結びついています。病気になったり治ったりする本当の理由は、いまだ謎だといってもいいかもしれません。それだけに、健康法などの話をすると精神論で終わってしまいがちですが、近い将来、そうした抽象的な部分や心の問題なども、化学的な脳の中の変化として考えられる日もくるような気がします。しかし、それは人間の心をないがしろにするという意味ではなく、心を冷静に解析し、それを人間のために役立てようとしているわけです。 自然治癒力というものをもう少し拡大率を上げて、物質の変化として見ていくとどんなふうに見えるのでしょうか・・・。からだのさまざまな物質を知ると、どこか希望に満ちた気分になります。つまり、わたしたちにはまだまだ未知の機構があり、それがからだを守り、健康を維持する力になってくれているような気がします。希望はあらゆる意味で、自然治癒力を増してくれるでしょう。メルマガを読んで少しでも、そんな気持ちを感じていただければこれ以上の幸福はありません。 |
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