| Jeanie with the Light Brown Hair |
| ○ フォースターとミンストレル・ショー 1850年代のアメリカでは、フォースター富旨師宣 の名を知らなくても、フォースターの作品を知らない人はいなかったはずだった。「草競馬」も「ケンタッキーの我が家」も「アンクル・ネッド」、「主人は冷たい土の中」「故郷の人々（スワニー河）」も、ミンストレル・ショーから全米に喧伝された。 それでも数々のヒット曲はフォースターの名を高めるよりも、エドウィン・ピアーズ・クリスティーの名声を高めた。 今では、「ミンストレル・ショー」とアメリカの音楽を語るとしたら、スティーブン・フォースターを欠くことは誰にも出来なくなった。 フォースター・ソングを全米に送り出すきっかけを作ったエドウィン・P・クリスティーも、南北戦争の嵐が過ぎるとミンストレル・ショーと同じように輝きを失った。戦争が始まってからクリスティーは精神異常の兆しが見え始めたが、1862年に窓から飛び降りて自ら人生の幕を引いた。フォースターの死の二年前のことだった。 フォースターがプロのソングエフイターとして活動しはじめたのは1850年なので、ペリー艦隊はフォースターの曲が発表されてから、僅か三、四年後に日本まで運んできたことになる。フォースター・ソングが「ミンストレル・ショー」 に浸透して行ったスピードは、それだけ尋常ではなかったのだろう。 「金髪のジェニー」が発表されたのは、彼がこの曲のモデル、「幼なじみのジェーン（Jane Denny MacDowell）」と結婚（１８５０年）した３〜４年後。歌詞のイメージは、「花咲く小川で楽しそうに歌いはしゃいでいたジェニーはもういない。さえずる小鳥もその微笑みも花も枯れてしまった。今でも君を夢見るよ、素敵な茶色の髪をしたジェニー」 。明るい茶色の髪が邦題では「金髪」になっています。「金髪のジェニー」という曲がフォスターが生きていた時代にはあまり売れていなかった作品で、多くの人に受け入れられヒットしたのは１９４０年代以降、 アメリカではその頃にラジオ局とＡＳＣＡＰ（ＪＡＳＲＡＣのような著作権管理団体） との間で著作権をめぐる争いがあり、この争いにおいてラジオ局はＡＳＣＡＰが管理していないパブリック・ドメイン（著作権フリー）の曲をかけていたらしく、その時に著作権フリーの曲として良く流れるようになった曲の中に「金髪のジェニー」があり、それが多くの人の耳にとまりヒットしました。 男女の洗練された愛の形、愛せる人、愛せない人 男性は相手の女性と彼女が産んだ子供について、保護と養育の義務を果たすことに関して誠実であること、女性は相手以外の種を受け入れないことが、相手に対する愛情の印です。さらに女性は、男の身のまわりの世話をすることも愛情の表現です。昔は、男が女のところを訪ねる「通(かよ)い婚」でしたから、男が訪ねてきたら温かい寝床とおいしい食べ物を用意するのが女の仕事であり、愛情の表現でした。そして、求愛を熱心に繰り返しおこなうのが男の愛情表現であり、日本の文学、とくに和歌はそのために発達したと言っても過言ではありません。『万葉集』 の約半分、そして『古今和歌集』『新古今和歌集』のほとんどすべては求愛の歌です。まず、男のほうが先に呼びかけます。「美しいあなたがそこにいらっしやる。だけどあなたは会ってもくれない。あなたはなんてケチなんでしょう」。女のほうは、「そんなことをおっしゃるけれど、どこまで本気なのかしら」、あるいは「あなたには、ほかにいい人がたくさんいるのではありませんか」と言います。そして次に、「あなたは冷たい人ですね。私を殺すつもりですか」と男が言い、そして求愛の目的を達したら、男は通ってこなくなります。そこで今度は女が、「あなたはこのごろお見限りですね。私はこのまま死んでしまいます」と返します。 平安時代の和歌は基本的にはほとんどがこのパターンです。和歌という形が発達して求愛行動が文学にまで高まり、恋愛感情はずいぶんと洗練された人類にしかありえない形になりました。これには、前頭葉・辺緑系前部回路が関わっています。ところが、こうした洗練された愛の形も、武家政治が始まってすっかり変わってしまいました。女性の選択権はほとんどない、権力と暴力で女性を自分のものにする時代が続きました。女性の選択権が復活してきたのは江戸時代の半ばごろで、明治になってようやく「愛」「恋愛」という言葉が出てきます。女性と男性が完全にお互いの選択に基づいて自分の配偶行動を決めることができるようになったのは、第二次世界大戦後です。カップルの関係が一度の発情期をこえて持続するのは、鳥類では結構ありますが、ほ乳類ではめずらしいと言えます。人類の場合は、つがい関係が異常に長く続くと言ってもいいくらいです。すでに述べたように、一夫一婦制はオスから見れば本性に反します。しかし、「オスには自分だけを守ってもらいたい」というメスの意向もくまねばなりませんから妥協として一夫一婦制が存在。昔から人間は、そう考えつづけてきました。そして、神仏のように超自然的存在と私たちの出会いの機会を提供するものが宗教でした。 パワーストーン広島 / パワーストーン水晶天然石 次は燈台守
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