| 元気のでる館広島 ＞ 癒しの館 ＞ 真理探究者 中村天風の世界 ◆生い立ち 中村天風は、一八七六（明治九）年七月三〇日、父・中村祐輿(すけおき)と母・長子の三男、三郎としで東京府豊島都にあった官舎で生まれました。祐興は九州の旧柳川藩士で、明治維新後は明治政府に仕官し、大蔵省紙幣寮（現・国立印刷局） の初代抄紙局長をつとめでいました。 三郎は少年弁論大会で優勝するなど、子どものころから聡明な少年として知られていました。また、六歳のころから剣道の稽古を始め、柔道や空手にも励みました。小柄ながら度胸が良く、試合には抜群の強さを発揮したと言います。 三郎は負けず嫌いなところがあり、気性が荒く、いつも喧嘩が絶えませんでした。相手が年上だろうと、街のならず者だろうと見境なく突進し、指をへし折ったり、耳を引きちぎったことさえあったそうです。その激しい性格といたずらに手を焼いた両親は、小学校を卒業したばかりの三郎を福岡の知人に託します。 一九〇四（明治三七〕年に勃発した日露戦争では満州に渡り、スパイ活動を行う軍事探偵として活躍します。この時、三郎は二八歳でした。三郎は九州柳川藩に伝わる抜刀術「随変流」の名手でした。随変流の刀の抜き型に「天つ風」という、体を回転させながら刀を抜く高度な型があり、三郎は得意としでいました。東山翁は三郎に「天つ風をよく抜くのう。これからは『天風』と名乗れ」と言われたほどでした。 鉄橋を爆破し、夜間行軍する敵軍の砲兵部隊に斬り込み、司令部の秘密文書を盗むなど、三郎は多くの戦果を挙げますが、ついに捕らえられ、死刑宣告を受けます。ところが、銃殺されようとしたまさにその瞬間、コンビを組んでいた橋爪という男が投げた手榴弾によって危機一髪のところを助けられ、まさに九死に一生を得たのでした。 ◆求道の旅へ 満州から帰国後、三郎は過酷なスパイ活動の疲労から奔馬性(ほんばせい)肺結核を発病し、死に直面します。当時の結核は恐ろしい病気とされたため、日に日に三郎の心は弱まっていきます。信仰に救いを求めようと、キリスト教や禅の指導者に教えを乞いますが、残念ながらいずれも彼の心に響くものではありませんでした。 病気のために弱まった己の心を立て直そうと、一念発起した三郎は渡米を決意します。 病床で読み、感動した本の著者オリソン・スウェット・マーデンをニューヨークに訪ねようとしたのです。しかし、マーデンに面会しても答えは得られず、また老心霊哲学者のカーリントンを訪ねましたが、「若くして人生を求めることは尊い」と三郎を褒め称えるだけで、何も教えてくれませんでした。コロンビア大学で医学を修めた三郎は、今度はイギリスに向かいます。ロンドンでH・ブリユースが主宰する神経療法に関する講習会に出席するためでした。最終日に「病を治すための秘訣」が教えられると聞き、そこにすべての期待をかけたのです。しかし、すべての講義を聞いた三郎が、最終日に聞いた秘訣、それは 「病を治す秘訣は、『病を忘れること』である。忘れよ」というものでした。驚くほど高い受講料を払い、二週間の講義を受けたにもかかわらず、三郎は何ら得るところがなかったのです。 フランスで大哲学者イマヌエル・カントの伝記を勧められ、読み進めるうちに、やがて三郎の「心」に対する考え方に変化が訪れます。 カントは生まれつき奇病を患っており、そのためか背中が曲がり、いつも苦しそうに息をしていました。そのカントが一七歳の時、街を巡回に訪れた医師から次のように言われたのです。 「なるほど、君の身体は気の毒な状態だが、君の心は病んでいない。これからは 『つらい』『苦しい』とは言わずに、心が丈夫であることに感謝しなさい。そしで自分の興味のある学問を学びなさい」 少年カントを大智学者にならしめたこの言葉は、三郎の考え方に大きな影響を与えます。そして、この考え方が、後に天風哲学の基盤となっていくのです。欧州滞在中、三郎はサラの紹介で、ドイツの著名な生理学者ハンス・ドリユーシュを訪ねました。三郎は藁にもすがる思いで質問します。「活発な快男児であった私が、結核菌に侵されたとたん、身体のみならず心まで弱くなってしまいました。この弱くなった心を、もう一度強くするためには、どうすればよいのでしょう？」 ドリユーシュ博士の回答は次のとおりでした。「それは人類始まって以来の謎です。西洋では私がこの間題に気づいて研究しています。東洋では、あなたが関心を持って、探求しています。どちらが先に解決法を発見しても、世界人類の幸福になります。お互いに頑張りましょう」 と。三郎は絶望的な気持ちに陥ります。「日本へ帰って死のう……」 サラが引き留めるのを振り切り、一刻も早く帰国しようと、三郎はすぐに出航する貨物船に飛び乗りました。 ◆ヨガ修行へ その後、スエズ運河で故障船が出たため、貨物船はエジプト・アレクサンドリア港で足止めをくらい、仕方なく、三郎は船内で仲良くなったフィリピン人の水夫に誘われるまま、ピラミッド見物にカイロへ向かいます。ところが、カイロへ到着した翌日、三郎は大喀血し、ホテルのベッドで横になったまま動けなくなりました。 ホテルのボーイにすすめられ、なんとか食堂へ向かい、スープとサラダを口にしますが、まったく美味しく感じられず、三郎はますます落ち込みます。 食堂の向こう側にいる男の存在に三郎が気づいたのは、まさにその時でした。 その浅黒い男性は年のころ六〇代 －、後ろに従者らしき人物を従え、大きな孔雀の羽のうちわで扇がせていました。大きな蝿が男性のテーブルに舞い降り、しきりに動いています。ところが、男が自分の親指をその蝿に向け「ウッ」と底力のある声を発すると、蝿が静止してしまったではありませんか。何事もなかったかのように従者がピンセットで蝿をつまみ、容器に片付けるのを見て、三郎はrなんて不思議な人だ」と呆気にとられ、男性を凝視していました。男性は三郎に微笑み、「こちらへきなさい」と声をかけ、三郎は惹きつけられるようにその人物の前に立ちました。三郎を見つめたまま、男がおごそかに口を開きました。 「お前は右の胸に大きな疾患がある。お前は祖国へ墓穴を掘りに帰ろうとしているね？ お前は死ぬ必要はない。お前は助かる。私についてきなさい」 翌朝、指示されたとおりにホテルの裏に三郎が向かうと、ナイル河に、三本マストの白い船が浮かんでいました。船に乗り込んだ三郎を待っていたのは、昨日の不思議な男性でした。彼は三日、三郎に言いました。 「お前は救われた」 三カ月後、三郎を連れた一行は、ヒマラヤの世界第三の高峰であるカンチェンジュンガのふもとに到着します。この村はヨガ（古代インド発祥の修行法。特殊な座法・呼吸法を行い、心身の調整・統一をはかる）の根拠地でした。三郎をここへ連れてきた男性は、ヨガ聖者のカリアッパ師。彼はイギリス国王と会見した帰路でカイロに立ち寄り、三郎をヒマラヤに連れてきたのです。 こうして、その後の三郎の人生を大きく変えることになるヨガ修行が始まりました。 |
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英国の辞書に日本語の「霊気」を掲載 |
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| ●中国と日本での遠隔ヒーリングの実験 中国にはこの他に、「人体科学研究院」という気功師や超能力者の集まる国家機関があり、多くの学者や専門家が集まって気や超能力を科学的に調べたり、気を用いた能力開発の研究を盛んに行なっています。最近では、電気通信大学名誉教授であり、生命現象研究所所長の佐々木茂美先生が、この人体科学研究院と協力して、東京－北京間で「気」を送る実験を行ないました。実験に参加した気功師は、中国人の梁蔭全さんという人で、手を触れたり、手から気を出すこともなく、患者さんを前にしてただ念じるだけで、ガンをはじめさまざまな病気を治してしまうという気の達人です。東京から北京に念（気）を送るという実験で、一九九五年の六月十二日から七月二十四日にかけて幾度かの実験を行ないました。その結果、各回とも東京にいながら北京に「気」がを送ることに成功したことが確認されました。遠隔ヒーリングの可能性を科学した実験の一つです。「気」が水の電気伝導率を変化させる－－佐々木先生自身も、独自に気の測定実験を行なっています。佐々木先生は、人間の体の六〇％以上が水でできていることから考えて、「水」を媒体にした実験をしました。ビーカーの中に蒸留水を入れたものを用意し、気功師に「気」を入れてもらったり、水晶など「気」を発している物質を側に置いたのです。すると、「気」を入れた蒸留水では、pH（ペーハー）が変わらないのに、電気抵抗が減少していることがわかりました。佐々木先生は、「気」が「蒸留水」の電気伝導率を高めることを発見したのです。普通は水中のイオンが多くなれば電気伝導率が高まり、少なくなると電気伝導率が低くなるのですが、pHが変わらないということは、水中のイオンの変化が起きなかったことになります。そこで、水分子の共振状態を調べた結果、水分子の結合角度や長さは変わらず、結合の強さが変わっていることがわかったのです。水の分子式はご存じのようにH2Oですが、水分子は一分子では存在できず、何個かの分子がくつついて大きな集団を作り、めまぐるしく集合離散を繰り返しています。この分子の塊のことをクラスターというのですが、運動量が大きい水ほど小さいクラスターを持ち、クラスターが小さいほど体内への吸収がよく、理想的な水だといわれています。遠赤外線を当てたり、アルカリイオン製水器で電気分解した還元水はクラスターが小さく、健康によい水に変わることが確認されていますが、気を入れたことでなぜ変化するのかは、まだよくわかっていません。佐々木先生は次のようにおっしゃっています。「NMR（ニュークリアー・マグネティック・レゼナンス）という装置を使うと、水の分子の集合状態がわかります。この最先端の装置で水分子の結合集団に変化が起きていることがわかりました。『気』の入っている水の中ではクラスターと呼ばれる水分子がいくつか結びついた集団が、大きくなる場合と小さくなる場合とが確認されています。このようなことから、次のような仮説を立てています。科学的には構造化した水分子の原子核の中の中性子に『気』が作用していると考えられる。そこからエネルギーを取り出し、このエネルギーによって電子の活動を活発化させて電子の数を増加させ、電気誘導率を高めているのではないか？ いずれにしても、こうした実験から『気』が水分子に影響をおよばしていることは事実であり、確かに『気』は存在するといえるでしょう」 佐々木先生は、「気」が生命現象と深く結びついたエネルギーで、人間が本来持っているさまざまな能力を引き出してくれると同時に、電気や原子力に変わるエネルギーになる可能性を持っているとして、研究を続けており、通産省系の社団法人、日本工業技術振興協会の中にある「気エネルギーの応用実用化研究委員会」という組織でも、さまざまな実験や研究に協力しています。 |
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この辞書は英語を英語で説明する日本の国語辞典に当たるもので、オックスフォード辞書と並ぶ権威。残りは「パチンコ」「霊気」「ワサビ」「そば」「うどん」。これでこの辞書に掲載されている日本語は百二十余りになった。(中略) ヨガなどと並び英国で流行している「Ｒｅｉｋｉ」（霊気）の登場は異色。辞書は「（名詞・日本語）癒しと元気回復のために患者にエネルギーを与えると考えられている治療法」と説明している。新聞、雑誌、書籍、ラジオなど印刷物と会話の中から集めた四億語余りのうち使用頻度の高いものを選んだという (以下略)