元気のでる館 > 身体や心の癒しに > 石に魅せられた宮沢賢治
「石っ子けんちゃん」。宮沢賢治は小・中学校時代に友達からこう呼ばれていました。生家は岩手・北上川沿いの町のし質屋さん。幼いころから石集めに興味を抱き、鉱物や宝石で生計を立てようと考えたこともありました。なぜ、賢治は石が好きになったのでしょう。理由は2つ考えられます。
一つは近くにみちのくの大河・北上川があったことです。
川沿いには黄緑色の蛇紋岩「じゃもんがん」や青黒い角閃岩「かくせんがん」が豊富に集まっていて、白い脈のある石を割ってみると、内部に細かい無色透明な水晶が群生していました。賢治は太陽の光に照らされた水晶の輝きに感動し、虜になってしまったのです。もう一つが、のちに入学する盛岡高等農林学校の初代土壌学科教授だった関豊太郎の存在です。 同教授は「土の元は岩石」という心情から地質学に力を入れ、自らドイツに出向いて世界的に有名な鉱物標本商のクランツ社から高価な鉱物標本セットを購入するほどでした。賢治は恩師から強い影響を受けています。
しかし、念願の「鉱物・宝石店」の夢は叶いませんでした。
父親から強く反対されたからです。鉱物の知識はあるが、商才のない息子が実業の道で生計を立てていくのは無理と見抜いていたのでしょう。面目lを果たすのはモノを書き始めてからです。賢治の作品には、ファイアーオパールやルビー、黒曜石、疑石岩、蛇紋石などさまざまな石がふんだんに出てきます。
有名な『銀河鉄道の夜』の中に出てくる「あれはみんな水晶なんだ」という表現などは、少年時代に石を収集していた「石っ子けんちゃん」の原体験です。「今は兎たちは、みんなみじかい茶色の着物です」の書き出しで始まる『貝の火』は「ホモイ」という小ウサギが主人公になっています。ある日、ホモイは川に流されたひばりの子の命を救ったことから、そのお礼として親ひばりから貝の火という宝珠をもらいます。この宝珠は大変、貴重なもので幸運をもたらすといわれています。見た目は赤や黄色の炎を上げてせわしく燃えているように見えますが、実は冷たく美しく澄んでいるというもの。ただし、毎日、丁寧に磨かないと光沢がなくなってしまいます。宝珠があることでホモイは倣慢になって自分を忘れてしまいます。やがて、宝珠は鉛の玉のようにくすんでしまいました。「石の宝庫」といわれる北上川では今でも、多種多様の珍しい石を目にすることができます。賢治が北上川流域で育っていなかったら、もちろん「石っ子けんちゃん」は存在しなかったでしょうし、石をモチーフに作品を書くこともなかったでしょう。作家として存在しなかったかもしれませんね。
『貝の火』に出てくる宝珠のモチーフとなったのはファイアーオパール
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「氷は、水から出来るが、水より冷たく、墨縄にぴったりする、まっすぐな木もたわめて輪にする とコンパスにあてはまるほど、丸くな る」荀子によると人間はもとの素朴な性より、抜け出ることができるが、そうさせる大きな推進力は学問であり、見聞であり、正しい人に親しむ事といいます。時代の流れに、即応できるように、過去の自分をつくり変えることです。自己変革することで時代の波に乗ること、時代にひ
きずられて傷つかないようにすることを、教えています。人間というものは他人は見えても、自分は見えないもの。自分を見たければ他人を通して、自分を見るほかなく、だから交際が必要ということに・・・。ただし、自分を映す鏡であるはずの他人が、ゆがんでいたり、汚れてい
たりすると自分の正確な像はつかめません。それゆえに正しい人に親しみなさい。孟子によると、山をかかえて、海を飛び越すことはできない、といえばそれは本当にできないこと、しかし、目上の人に腰をまげてお辞儀することは、自分にはできないといえば、それはできないのではなく、しないという事です。私にはとてもできない、と思っていることでも、
本来の能力はあるのに、ただやらないだけではないのか、自分のつまらないプライドをすてて、もう一度、人や物事に接してみたら・・・と、そう教えます。人を愛することも同じことで、身内の者は愛せても、他人を愛せないのは、愛することができないのではなく、愛さない、となり他人を愛さない人のもとには、人は寄り集まらない 大事をなそうとするのなら、まず、「身近なものに対する心を、そのまま他人に・・・」
根本の心のあり方ができていないで、遠くにあるものを求めようとすれば、その努力は「木に縁（よ）りて、魚を求むるがごとし」木に登って魚をとろうとするようなもので、その努力はむなしい。過去は何も自分の後ろにあるわけではなく、自分が過去を作っています。家庭でも会社でも、知らないうちに流されてゆく。今日は昨日の続きで、明日は今日の続きになってしまう。単調な流れでも。流れを意識できる人は、たいしたもの・・・。そうではなく、停滞してしまう事。停滞は心の死といえます。
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