| 元気のでる館 > 身体や心の癒しに ＞ 老化と酸化と活性酸素の話 私たちは誰も「いつまでも若々しく健康でありたい」と願います。 しかし人間は確実に「老化」していきます。老化の速度は人によって様々ですが、これは生まれ持った身体的なものよりも、その人の生活条件や社会条件によって大きく左右されます。そして確実に言える事は、病的な状態をのぞいて老化は急激には起こりません。ただし、いったん老化してしまったら、その状態から元には戻りません。残念ですが、若返ることはできないということです。 人類は長い間老化の解明に取り組んでいますが、現在でも老化の真相は解明されていません。 いくつかの仮説はありますが、どれも決定的なものではありざせん。 ①細胞内にある「テロメア」という物質が、人の生命活動の時間を決定している。（すでに米国において研究されている） ②内分泌、下垂体ホルモンの分泌が衰える。 ③免疫力の低下でいろいろな病気にかかりやすくなる。 ④遺伝子（DNA）の中に、すでに老化のプログラムが組み込まれている。 ⑤「活性酸素」が老化進行の原因物質である。原因の一つとして、今、活性酸素が注目をあびていますが、その活性酸素は、身体全体の細胞を酸化させます。酸化とは、ある物質が酸素と化合するか、または水素を失うことをいいます。最近ではある物質が電子を奪われる現象を酸化と言っています。 また、酸化の反対の現象を「還元」（＝電子をもらうこと）といいます。 例えば、リンゴを切ってそのままにしておくと、切り口が赤く変色します。 これはリンゴが空気中の酸素により「酸化」したからです。 しかしリンゴを切ってすぐ塩水につければ、赤く変色しません。それはリンゴの細胞が酸素と結びつく前に、先に食塩（塩化ナトリウム）と結びついたことで酸化を防いだからです。 生体においては、皮膚や内臓のあらゆる器官、そして血液や骨も、身体全体のどこでも活性酸素により酸化が進行します。病気の実に9割が「細胞の酸化」が其の原因とされており、この酸化を引き起こす犯人が「活性酸素」と言われています。細胞が酸化すると本来の生命維持機能に障害が起こり、免疫機能、ホルモン分泌などが衰え、全体的に老化が進行します。たしかに、人間の老化を止めることはできません。しかし、その進行を遅くすることはできるのです。私たちが誕生して生きて行く過程で、誰しもがすでに「老化と死」に向かって生きていると言ってもよいのかもしれません。老化を決定しているのは、空気を呼吸するが故の作用ではなくそれは、生命として誕生した時から始まります。赤ちゃんは生まれて最初の空気を吸います。酸素なしでは生命を維持して行く事はできません。しかし、その酸素の一部が活性酸素となって、身体の組織を酸化させて老化を引き起こし、寿命を縮めます。つまり酸素なしでは生きていられませんが、もしかしたらその酸素の害によって、人間の寿命が決定されているのではないでしょうか。人間は死ぬまでに何回呼吸するのでしょうか？。その回数は測りしれません。空気中の酸素はどうしても必要ですが、酸素はまさに「両刃の剣」です。一方では生命維持に必要不可欠なものでありながら、もう一方では鉄が錆びるように身体を老化させてしまいます。呼吸により一部の酸素が私たちの身体に悪さをしていても、正常な環境や大気汚染のない環境下にいれば、生体を司る「テロメア」という物質は、人間の寿命をおよそ120歳ぐらいにしてくれるかもしれません。それ以前に数多くの老人が死を迎えてしまぅのは、空気中の酸素の害と地球環境の変化による大気汚染物質によって、体内の「活性酸素」が増大して、老化と死に拍車をかけているからなのではないでしょうか。 人類の願望である、健康、若返り、美容、痛みのない人生などを願うのならば、現代社会の環境汚染、大気汚染やもろもろの公害が生体内に大量に発生させている「活性酸素」の毒牙から身体を守ることこそが、とにかく一番重要なのです。 |
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| 活性酸素本来の働きの話 実は、適量の生体の「活性酸素」は、生体に対して重要な働きをしています。私たちの日常生活の中では、様々な病原菌（＝ウイルスや細菌）、そしてカビやほこり、室内の建材や、じゆうたん・夕タミから出る有害物質、大気汚染によってプラスイオン化された有害物質が空気中に浮遊していて、呼吸するたびにその空気が多量に体内に入ってきます。 これらの有害物質や病原菌が体内に入ってもすぐに病気にならないのは、私たちの体には外敵に対する「免疫システム」が備わっているからなのです。呼吸や皮膚の傷口から進入してきた病原菌は「白血球」が殺してくれます。白血球は赤血球と共に血液の重要な成分ですが、この白血球にはいくつかの仲間がいて「リンパ球」「好中球」「マクロファージ」等があり、そして、その中でも、好中球、単球、マクロファージは「食細胞」と呼ばれ、細菌や有害物質を自分の細胞の中に取り込んで殺菌し、除去します。 白血球は病原菌等に村し、活性酸素を振りかけて退治します。つまり、適量の活性酸素は、私たちの身体を守る強力な武器なのです。とくに、好中球の殺菌力は強く、病原菌の侵入があると直ぐにその現場に駆けつけて、すぐさま病原菌に活性酸素を振りかけて退治し、そして、ある時は自分の細胞の中に病原菌を取り込んで、活性酸素を振りかけて攻撃を仕掛けるという仕組みです。マクロファージは、病原菌を丸ごと自分の中に取り込んで、活性酸素や分解酵素を振りかけて相手を破壊します。人体の化学工場といわれている肝臓では、外部から進入してきた有害物質や薬物を色々な酵素によって解毒していますが、酵素は活性酸素を生成させ、その活性酸素を肝臓まで進入してきた毒物や薬物に振りかけて、無毒な物質に変えています。 |
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