気という人間の持つ根源的なエネルギーに対する自覚が始まると、人間は変わります。
いろいろなことがわかってきます。
人間は「もの」だけではないということに気づくからなのです。
人間は物質で構成されていることに間違いないのですが、気も存存する、ということです。気の 一番奥底に、精妙なところに、人間のスピリッツがあるのでしょう。
気功というのは、中国から入ってきた新手の健康体操みたいな捉えられ方をしても、それはとっかかりとしてまったく問題ありません。
しかし、人間は物質だけではなく気の流れを持っていると自然に思えてくるのが気の魅力だと思います。それに「気功」は、肉体だけを使った体操と違って、気がわかりはじめてくると飽きないのです。自分の内面探究の
欲求が頭をもたげてきます。
そうすると昔の偉い人が書いた本も読みたくなるし、そこでは、いろいろと哲学的な興味もわいてきます。日常の生活とは関係なくても、その知識が自分の栄養のような感じで勉強できるようになるのです。そして、それがただの知識のインプットではなく、自分の生き方の中に意味を持った情報として根付いていきます。
それが気功の持っている本当の現代的な意味ではないかと思います。
気功を続けている人たちを見ているとそう思えてきます。
気の存在を認識すると、自然な形で、スピリチュアルな感性が徐々に芽生えてきます。
そうすると、「死」に対して向き合う態度が違ってきます。 そして死が人間はものだけじゃない、気の流れがある、ということに気づいてくると、気というもののいちばん精妙なもの、奥のところが、認識されてきます。
WHOでも「スピリチュアル」という言葉を使い始めたことは着目すべきことです。
痛みにはいろいろありますが、肉体の痛み、社会的な痛み、それから魂の痛み「スピリチュアル・ペイン」という言葉をWHOでも使い始めました。
肉体の痛みのはかに、社会的な立 場がなくなることによる痛みもあるのです。
「スピリチェアル・ペイン」というと、霊的な痛み、と訳してしまいますが、霊的なという言葉に対して、不必要な「不純物」がいっぱい我々の中にボキャブラリーとして入っています。
それは、呪縛と言ってもいいほどですが、その呪縛 が今ほどけ始めました。日本人は古来より、豊かな自然の中で生活してきました。そして、自然の中に気のエネルギーを読み取ってきました。
気が減少し、枯れてしまった状態を気枯れ(ケガレ)といい、気の豊かな状態をイヤシロと呼んでいたようです。
☆ 気のエネルギー
日本の民族的宗教である神道では、気枯れ、すなわち気のエネルギーがネガティブになっている状態を汚れとして、遠ざけてきました。日常生活でも、服喪、お産、月経などで神前に出るのをはばかる期間を
汚れといっています。死は、生命力である気のエネルギーがなくなった状態、出血は生命力が低下した状態と感じてきたのでしょう。政治は 「まつりごと」ともいわれています。見えない世界のまつりごとも、見える世界の政治と同じように大切なのです。そして、学問、芸術、医療、
スポーツ、経済活動など、どのような場においても人間が何かをなすとき、その活動が調和的・発展的・創造的であるためには、見える世界と見えない気の調和と発展が必須なのです。眠ったままになっている気の感受性、気の能力を目覚めさせ人や空間や場所の気がわかるようになる
と、現象の奥の隠された意味が読めるようになり、理由がわからないことからくる不安や恐れからくるストレスが減ってきます。
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