| 元気のでる館 > 癒しの館 > 万能の天才、弘法大師の秘密 お遍路について ここで、シンボルとマントラがなぜセットになっているのかについて考えてみましょう。臼井賓男先生が、京都の鞍馬山中に寵もり、レイキのシンボルとマントラを授けられた日からレイキ・ヒーリングの歴史が始まったことは、何度かお話ししました。日本には、鞍馬山の他にも、有名な高僧や名もない修行僧たちが行を実践した霊地（聖地）が各地に残っており、いまなおその歴史を伝えています。こうした霊地や名所旧跡には、史実とは相いれない伝説（言い伝え）や物語がつきものですが、北海道、沖縄を除く全国に名を残しているのが弘法大師空海です。空海は単なる宗教の開祖ではなく、語学、書芸などの文化的なものから、土木技術、鉱山開発、薬草、医学の知識まで持ち、日本初の庶民のための学校を作り、大規模な治水事業を行なうなど、人間離れした活躍をしていました。ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士は、生前、空海のことを「世界的スケールで見ても、上位にランクされるべき万能の天才で、アリストテレスやレオナルド・ダ・ヴインチをもしのぐ存在」と称しています。空海がこれだけの仕事をなし遂げることができた秘密は、十～二十代の無名時代に、さまざまな行を積んでいたことにあるようです。その一つに虚空蔵求聞持法（こくうぞうぐもんじほう）があります。 ○谷がこだまし明星が現れる 虚空蔵求聞持法とは、現在でいう記憶術の一種です。虚空のように限りなく、聞いたことを保持できる方法という意味で、空海は、この行を通じて「一切の教法の文義譜記することを得」 （『三教指帰』さんごうしいき）つまり、膨大な経典を暗唱できるようになったといいます。具体的な行法は、虚空蔵菩薩の真言（マントラ）を百日間で一〇〇万遍（一日一万回）唱えるというもので、空海はこの行を、現在の徳島県の大滝岳山中、高知県室戸岬の荒波打ち寄せる洞窟に籠もって行ないました。その時の模様を、空海はのちに自著『三教指帰』 の中で次のように記しています。 「ここに大聖の誠言を信じて飛煩（ひえん）を鋳燵（さんすい）に望む。阿国大滝岳にのぼり、土州室戸崎に勤念す。谷響きを惜しまず、明星来影す」（仏様のお言葉であるから間違いないと信じて、木を擦って火を出す時のように少しも怠らず、大滝岳に登り室戸岬で行に励んだ。すると、谷がこだまし、明星が現れるなど伝えられているとおりの奇跡があった）「谷がこだました」というのは、空海が自ら唱えた真言と、宇宙のバイブレーションが響き合い共に振動したことを表しています。また、明星が現れるというのは、伝記にも書かれている太陽の光（大日如来）が空海の身体に飛び込んできたという意味と、瞼の裏に輝く白い光が投影されたという二つの意味があると思われます（また、臼井先生も二十一日目の暁に数条の光が自分を目がけてやってきた。その瞬間にすべてがわかったと述懐をしています）。どちらも宇宙との一体感を表していますが、大切なのは空海が行法を進めていく過程で、映像（光）と音（響き）という、二つの効果を得たということです。 ○シンボルとマントラが右脳と左脳を同時開発する この体験（上記）を大脳生理学に照らせば、右脳と左脳の機能を同時に開発したということになるでしょう。七田眞さんは、『超右脳革命』の中で、「まぶたの真に浮かぶ白い光とは、脳の内部、つまり間脳の松果体が活性化し」たものであり、この白い光が見えるようになると、物事の解答が文字ではなくイメージ（図形）で出てくるようになる、と述べています。一般に記憶術は、文字や数字を一瞬のうちにイメージ認識するところが極意であり、このコツをつかめば、飛躍的に能力が向上します。空海は、マントラを通して「言語脳」である左脳を刺激し、大日如来の姿（イメージ）を通し「イメージ脳」である右脳を刺激していました。そして、一つの臨界点を超えた時に、宇宙との一体化を得たのです。また、室戸岬にある洞窟では、空海自身の声が洞窟内に反響して増幅され、脳全体を大きく刺激したことも考えられます。レイキ・ヒーリングで、シンボルを描きマントラを唱えるという行為には、左右両方の脳機能を、同時開発するという意味合いがあるのです。 ○左右の脳をバランスよく使うことで最高の力を発揮できる アインシュタインは、研究の傍ら、よくモーツァルトのヴァイオリン・ソナタを奏でていました。理論物理学者のフリッチョフ・カプラ氏は、ヒッピーを卒業（？）して高名な学者となってからも瞑想、太極拳などを好んで行ない、日本の江崎玲於奈博士と共にノーベル物理学賞を受賞したブライアン・ジョセフソン博士（ケンブリッジ大学物理学教授）は、マハリシ・マヘッジ・ヨーギを師と仰ぎ、TM瞑想に深く傾倒していました。彼らの大脳を直接機械で測定したわけではありませんが、彼らが左脳と右脳のバランスをとろうとしていたことは明らかです。人間の心の中には、偏りのない、完全なる存在へ向かうことを求める意識が眠っていることがわかります。根源のエネルギーと本当の意味でのつながりを得、宇宙と一体になるためには、科学と宗教、善と悪、光と闇、愛と憎しみ、喜びと悲しみなどといった、相対するものをすべて超越する必要があるといわれます。しかし、それ以前に私たちは自分自身の中にある偏りを修正し、持てる能力を最大限に発揮できるよう開発しなければなりません。脳のアンバランスは、身体と心のアンバランスと同じように、生命エネルギーの働きを鈍くしてしまうからです。前章では、アチューンメントを受けると、左右の脳、間脳（視床下部）の機能がいずれも上昇したという例を紹介しました。レイキを通じて、私たちは肉体と心、脳のアンバランスを修正し、最高、最良のかたちで持てる能力を発揮した人間、完全なる人間へと進化するための準備を行なうことができるのです。 |
| 「どうせ、昔から馬鹿だったから、しようがないよ」 そんなあなたの過去があなたを支配していませんか。そして、今の状況を受け入れてしまっていませんか。どうですか？ 会社の上の人からみたら、これほど都合のいい人はいません。 国家レベルでもその仕掛けがあると思います。私たちは子どもの境から、テストの点数と偏差値で順位をつけられ、振り分けられてきました。小学校の6年間、中学校の3年間、高校の3年間、大学の4年間。ずっと点数と偏差値でランクづけされ、それに慣らされてきました。 成績のよい子は先生からも親からも褒められ続けてきました。成績がよいというのはピラミッドでいえば、上部の少数部分です。その他大勢は劣等感をもつことを余儀なくされてきました。 「人間はみな平等である。友達と仲よくしなさい」 と言いながら、実際には子どもの頃から成績によって競争させられ、ついていけない者は、落後者の熔印を押され、潜在意識に埋め込まれていったのです。恐ろしいことです。 無意識の中に、「落後者でぁる」状態がコンフォートゾーン（恒常的な状態）になってしまうからです。権力者にとつて、フロイト理論は実に都合がよかったのかもしれません。 突出した人間をつくらない、人と違った考えをもたない、現代人が心の病気になってしまう原因がここにもあります。 「自分はダメな人間だ」と思い込まされている事実に気づかず、その与えられた価値観の中で生きています。 大人になっても、自分が本当にやりたいことや、ほしいものを見つけることができない。その結果、コマーシャリズムに引っかかってしまいやすくなる。 「やると決心したことは最後までやり続けなさい」、「途中であきらめる人間はダメな人間だ」、「頭が悪いと、みんなにバカにされるぞ」、「出る杭は打たれるから、まわりに合わせなさい」 皆さんが聞きなれたフレーズでしょう。現代人はこの言葉に象徴されるように、不安と怖れによって、自分の行動を決定づけられてきたのです。まずは、この潜在意識に埋め込まれたコンフォートゾーンを取り除かなければなりません。 イヤイヤ生きると、人に騙される っまらなさそうな顔、面倒くさそうな顔、ふてくされた顔……など、最近、こういう顔つきの人たちを大勢見かけます。なぜ、なんでしょうか。同じ空気を吸い、同じ水を飲んでも、幸せそうに生きている人と、不幸せそうに生きている人の差は、いったい何なのでしょうか。 「だって、面白いことがないから……」 まさしく、〝与えられる″一辺倒の教育で育った結果ではないでしょうか。 幸せは与えられるものではありません。自分を幸せにもっていくのです。梅干しは最初から梅干しではないのです。手間暇かけて梅干しにするように、自分自身も手塩にかけて、幸せにするのです。密教では 「悟り」 から始めなさい、と説いています。悟りを「幸せ」と置き換えてもいいでしょう。 幸せそうな人を観察してみてください。笑顔がいい、言葉遣いがプラス思考、衣服は清潔感があり、さわやかで清々しい……。反対に不幸せな人は、ブスッとしていて暗い。口から出てくる言葉は、自分以外は全部悪い……。 「どういう意味かわかんない。今、不幸なのに、どうして幸せから始めるのか？」 要するに、幸せそうに見える人の真似をしなさい、と空海は言っているのです。 笑顔でも言葉遣いでも意識すればできます。ニコッとする、挨拶は元気そうにする。それだけです。お金もかかりません。鏡を見ても、人と会っても会わなくても、常にやり続けるのです。 「三密」 という密教用語をご存じでしょうか。衆生と仏とは本来同一であるから、衆生が身に印を結び（身密）、口に真言を称え（口密）、心に本尊を観じる（意密）時、それがそのまま仏の三密と相応して仏と同一となる、ということです。 身口意の行ないがそのまま幸せと同一になると考えてください。身体的には笑顔。 口には明るく元気な言葉。意（意識、心） は難しそうに感じるでしょう。その通りです。心を幸せの状態にするのは、不幸な人には、至難の業です。 1＋1＝2のように、1（笑顔） ＋1 （明るい挨拶）＝幸せ。身＋口＝意になりませんか。心は結果としてついてくるものです。泥棒の真似をスーパーマーケットですれば、「泥棒」 です。痴漢の真似をして電車で女性のお尻を触れば、立派な 「痴漢」 です。心から思わなくてもいいのです。幸せにふるまい、幸せな言葉を使うと、心まで幸せになるのです。幸せです、嬉しい、楽しい、清々しい……こんな言葉を笑顔で日常的に使い続ければいいのです。そんなのバカバカしい、と思う人はやらなくても結構です。どんどん不幸に磨きをかけてください。 今、自分が極楽と地獄の剣が峰に立っていることに驚くがよい。そう考えたら、私たちの毎日毎日の生活と人生はいつも剣が峰。剣が蜂とは崖っぷちのことです。 剣が峰で、幸せと不幸のどちらに転がりたいですか。 先述した空海の言葉（第三章参照） でも、「道を聞いて動かずんば、千里いづくんか見えん」 と言っているではありませんか。どんなにいい話を聞いても自分が行勤しなければ、千里どころか一歩も近づけない、と。仕事がイヤ、対人関係が面倒くさい、世の中がつまらない 。そんなことばかり言っていては、不幸に磨きをかけるだけです。イヤイヤしていると、インチキ商法や宗教に騙されてしまいますよ。騙す人は騙されやすい人の波動をたやすく受け取るのです。イヤイヤとか不平不満という波動を。 ○積極的に願望をかなえる 悟りの機縁は努力したからといってやってくるものではなく、常に悟りというものを全生活の中でイメージして、心に願い続けていなければいけない。 まずもって、「悟りから始めよ」 という、空海ならではの言葉です。 「悟りをイメージしろと言っても、悟りがわからないので、どうイメージしたらいいのですか？」 と質問されそうです。では、聞きます。 「あなたは大金持ちになったことがないのに、どうして大金持ちになりたいと願うのですか？」 「お金の苦労がなく、なんでもほしいものが員えるじやないですか」 それと同じです。悟りは理解できなくても、少なくとも苦しみから解放されるイメージがありますね。手を切られた経験がなくても、その痛みをイメージとして理解できるように……。 意識を悟りに向ける 悟りとは、苦労や災難に遭わないことではなく、どんな問題に遭遇しても、ひょいひょいとオセロの黒を白に変えるようなものです。 空海が、室戸岬の波打ち際の洞窟で悟りを体得した時、「空」 と 「海」 が今までとは全く違い、燦々と輝きを放っていたことに象徴されるように、当たり前のことが当たり前ではなく、すべて価値あるものだ、と気づいた状態をイメージしてほしいのです。すると、私たちの人生は輝きあるものだと意識が向くはずです。まず、「幸せ」 から始めてみましょう。頑張って幸せになるのではなく、私たちは既に幸福の中にいると体感することです。 「今、つらいのにどうして？」、「上司に毎日苛められているのに、どうして幸せと思えるの？」、「手柄を奪われた」、「彼女を別の男にとられた」……。 今は、パワー・ハラスメントの時代です。 逆に 「部下がチタチク苛めてきます」 と。 人間の本性を見抜く お米というのは天と地のエネルギーの集合体なのです。人、大地、養分、月、太陽。さまざまなご緑によってお米は育つのです。 気候、水、空気……、そして宇宙のバランスが法則に沿っているからこそ、わたしたちは生きていられるのです。どれ一つ欠けても、たった1粒のお米もできません。お米ができることは奇跡なのです。そういったことに思いを馳せた時、とてもありがたい気持ちになりませんか？ 1粒の米には天地の無限無量のエネルギーが、惜しみなく注がれているのです。それがわかった時、感謝、ありがたさ、喜び、嬉しさ……がこみ上げてきませんか？ その気持ちをもったら、『ただの米』、『当たり前の米』なんて思えませんよね。『ただの米』 が 『最高のお米』 に変化しませんか？」 信者さんとのやりとりですが、今のあなたは、世の中ではなく、あなた自身の想念という、眼に見えないものによって、現実化させていることがわかるでしょうか。 イメージせよ 頭で考えても、虚空を捉えることができない。頭で考えると、手でつかもうとする。そんなことで、虚空をつかむことはできません。形ではありません。三千世界は空間にあるのではなく、今ここの、あなたの心のありようの中に存在するのです。感謝、感謝……と口ずさみ、嬉しく、楽しく、清々しい、という情感を、常にあなたの心の引き出しの中に入れて、いつでも出し入れできるようにしておいてください。形はなくとも「在る」のです。 密教の修行では、「……を観想せよ」、「……と想え」 の連続です。この観想せよ（想え）は、「イメージせよ」と置き換えていただいてもいいと思います。イメージを現実世界にまでリアルにもってくることです。 「そんなことができるのですか？」 できます。あなたは無意識にそのことを実践しています。 |
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