パワーストーン教室|有名な鉱物

パワーストーン|水晶

鉱物（ミネラル）と岩石（ロック）の区別はわかるでしようか。
　ふつう、近所を歩いているときに見るのは、石ころや崖の岩です。漫然と見ていれば塊としての物体だけですが、手に取ってよく見ると、その中に形や色の違う粒が入っていることがわかります。この小さな粒が鉱物という単位と考えていただければ、あまりにも粒が小さくて目では区別つかないこともあります。そういうときは、ルーペを通して観察してみるのですが、それでもよくわからないこともあります。微細なものは無視して先に進みます。鉱物の粒が無数に集まってできた塊が岩石。鉱物粒の種類や集まり方の違いで、火成岩と変成岩の種類（岩石名）が決められます。火成岩はマグマが固まった岩石で、変成岩は元の岩石が地下に埋没して熱や圧力の影響を受けて再構築された岩石。ところが、多くの堆積岩はまったく違う定義の仕方でよばれます。たとえば、鉱物粒の大きさだけで決まるのが砕屑岩（粗い方から礫岩、砂岩、シルト岩、粘土岩）で、生物の遺骸が堆積した生物岩（石灰岩など）、海水や淡水から沈澱した化学岩（岩塩層など）、火山から噴出した物質の堆積した火山砕屑岩（凝灰岩など）もある。地殻は地球の表面にある薄皮のような岩石層のことで、その下にはマントルとよばれる固体層がある。マントルの一部が溶融することでマグマができる。熱いマグマも地表に向かつて上昇すれば、温度は低下して固まって岩石になるが、マグマの化学成分とどこで固まるかによって、構成鉱物（造岩鉱物）の種類や形態が決まってくる。地殻の中でゆっくり時間をかけて固まると、全体的に鉱物粒が相い深成岩（花崗岩など）に、地表に噴出すると鉱物粒のやや大きな斑晶とそれを取り囲む非常に細かい部分（石基）の組み合わさった火山岩（玄武岩など）になる。場合によっては、斑晶のない緻密なガラス状の塊（黒曜岩など）もある。火成岩も変成岩も化学的な規制を受けるので、一緒に出てくる（共生する）鉱物の問に密接な関係がある。いい換えると、一緒に出てはいけない鉱物があるということだ。この関係は鉱物の化学式を知らないと理解できない。とりあえず鉱物を楽しむだけなら深く考えなくてもよいかもしれない。鉱物の種類は、4000を少し超えるほどで、毎年50種前後増加している。日本では、約1150種が見つかつていて、ここ10年間は年平均で15種ほど増えている。そのうち日本の新鉱物は2005年1月現在で92種類。我々がふだん見ることができる鉱物は100種にも満たない。しかし、そういった何でもない鉱物の中に隠れているお宝を探り当てる醍醐味は格別。お宝には、誰でもが「ハツ」とする色や形のきれいなものもあれば、小さくてよくわからない珍鉱物もある。たいていの人は前者のようなものが好きだから、それを狙うハンターが多い。

☆自分に合った天然石を探すための特徴分類

• 日本人と天然石
  ●鉱物の名前を調べる
  自然物というのはその名前を知るとより興味を持つことができる。学術的な名前は人間がある規則にのっとって付けたものであるから、1つの種類には1つの名前があるだけです。しかし、日常的に使われる名前と学術名が違うこともあって混乱する。たとえば、「水晶」・（めのう）「玉髄（ぎよくずい）」といった比較的よく耳にする名前は種名の石英（quartz、クオーツ）と同じものです。これらは形態あるいは結晶粒の集合組織が異なっているだけで、鉱物種の認定は国際鉱物学連合の中の新鉱物・鉱物名委員会という組織でおこなっている。新種の命名はこの委員会の承認を得る必要がある。
  　鉱物の名前を調べるためには、書店の図鑑コーナーで鉱物関係のものを探すことからはじまる。たいていこのような図鑑には調べ方の基礎知識が解説されている。しかし、外形と色が決め手の生物とは違うので、図鑑にあまり期待しない方がよい。こんな鉱物があるのか、といった参考程度かもしれない。肉眼あるいはルーペで調べられる鉱物の性質は非常に限られていて、小さいもの、結晶形が不明瞭なもの、色に特徴のないものは図鑑とにらめつこしても決めることは難しい。図鑑には硬度（ひつかいてどちらに傷がつくかで調べる）や比重（あるいは密度）も掲載してある。硬度はなんとかわかっても、比重を調べることは無理で、単一種でできた手のひら大の標本であれば、慣れてくるとだいたいの比重はわかるようになる。簡単に手に入る希塩酸を使えば、発泡の有無で炭酸塩鉱物かどうか、硫化水素臭がするかしないか、などを調べる。ひもでつるした小さな磁石で、磁力の有無がわかる。紫外線ランプでどんな蛍光が見えるかをチェックする。以上がせいぜい一般の人が調べられる範囲であとは、専門書の鉱物データを見ながら、頭を働かせて推理するだけです。どうしても結果が知りたい場合は、専門家の知恵を借りるしかない。その専門家でさえ知らないものだったら、それこそ大珍品の可能性があります。
  ●〜鉱物の色--パワーストーンの基礎知識〜
  　鉱物はさまざまな色を示します。例えば，蛍石（CaF2）の色は，無色透明，緑色，紫色，黄色，黒色など変化に富んでいることで有名。水晶も，無色透明，紫色，黄色，紅色，緑色，青色，黒色など、さまざまな色を示し宝石としての価値を高めています。色の話を抜きにしては，水晶の鉱物科学は成り立たない。色の原因を明らかにしようとする試みは昔から多くの人たちによって行われてきたが、なかなか難しい問題です。
  　紫水晶は紫色から青みがかった紫色や赤みを帯びた紫色などがあり、それらの色にも薄いものからきわめて濃いものまで、さまざまです。表面から中心部まで，均質な濃い紫色の水晶はほとんどない。輪切りにして内部の着色状態を調べると菱面体面で成長した部分が色濃く、柱面で成長した部分は薄いことが多い。ときには不規則な形の紫色の斑点が散在していることもある。カットして小さな石にすると当然ながら色が薄くなる。カットして指輪程度に小さくなっても、なお色濃い紫水晶の原石は黒く見えるほどに濃いものです。
  ●紫水晶
  紫水晶（アメシスト）
  　紫色の原因は200年も昔から研究されてきました。1800年には水晶に含まれる微量のマンガンが原因であると発表されました。その後、鉄，炭化水素，ラジウム，ナトリウム，チタン，ボロン，カリウムなど多くの元素が考えられてきましたが必ずしも一種類の元素が原因ではないようです。鉄を含んでいれば、すべての水晶が紫色になるとは限らない。ラジウムなどの放射能源が必要であると考えられていなす。この微量な元素が、なぜあの美しい紫色を作り出すことができるのか、光が物体に入ると特定の波長の光だけが吸収され残りの光だけが通り抜ける。太陽光線のような白色（無色）光線が透過するとき、吸収された光に対して補色の関係にある色が、われわれの目に飛び込んでくる。補色とは何でしょうか、2種類の色の光が混じり合うと白色になることがある。例えば緑色の光と赤紫色の光が混じり合うと白色の光になります。この両者は互いに補色の関係にあるという。白色光線を当てても、その物質が緑色の光を吸収するならば、その物質は赤紫色になる。紫水晶を強い太陽光線にさらしておくのはよくない。博物館やお土産店で、筒を半分に割ったような晶洞に群生している紫水晶を見たことがあるかも知れない。これはウルグアイやブラジルから輸入されたものです。風化した暗褐色の火成岩中に大きな筒状の晶洞がある。最も外側にめのうがあり、そこから内部に向かって紫水晶が成長している。大きな晶洞は長さ10m，幅1．6mもあり、その中に直径4cmの濃い紫色の水晶が見い出されたことがある。この立派な紫水晶も蛍光灯の下に何年も置かれていると蛍光灯から出る紫外線によって次第に紫色が薄くなっていく。この脱色の度合は水晶の先端部よりも，その下の柱面で強い。多くの紫水晶が群生している立派な標本でも，個々の水晶の先端部だけに紫色が残った哀れなものとなる。紫水晶（アメシスト）と黄水晶（シトリン）の色の原因は共に鉄にあることがわかっています。しかし、紫水晶の産出は多いが黄水晶の方の産出は少ない。珍しいものに一つの水晶に紫水晶と黄水晶が共存していることがある。その両方にまたがってカットするとおもしろい石ができ上がる。アメジストとシトリンの名前を組み合わせて、この水晶をアメトリンと呼んでいる。さらに珍しいブラジルの緑色の水晶がある。緑色を帯びた紫水晶、緑色を含んだ黄水晶、あるいは合成の緑色水晶などがあるが、ブラジルの緑色水晶の原因はこれらとは少し異なる。紫色の原因と緑色の原因とが別々にあり、それらがブラジル産緑色水晶では重なり合っているようです。
  ●煙水晶と黄水晶
  福島県石川町付近に産する水晶は，無色透明のものが多い。同じペグマタイトの水晶でも苗木町付近から産する水晶は黒水晶、あるいは煙水晶です。黒水晶は文字通り真黒ですが、煙水晶は黒い煙りが閉じ込められているように見える。電気的に3価で大きさがシリコンと似ているアルミニウムが4価のシリコンを置換すると、この水晶にはプラスが不足する。それを補うためにリチウム（Li）イオンが入ってくる。イオン半径の小さなリチウムイオンは結晶構造の隙間に入ることができる。この水晶では波長に関係なくすべての可視光線を吸収するために全体が黒く見える。煙水晶を光に透かして観察すると結晶成長の過程がわかる。煙色は均質ではなく、濃淡は成長面と平行な薄い層を作っている。また、柱面で成長した部分よりも菱面体面で成長した部分の方が色濃い。アルミニウムやリチウムの量が成長と共にリズミカルに変化し、さらにこれらの元素は柱面よりも菱面体面に吸着しやすいためです。
  ●パラ石英（紅石英）
  バラ石英は文字通りバラ色であるが、これも薄い色から濃い色まである。バラ石英はペグマタイトに産するが、不思議なことに水晶の自分の形、すなわち自形を示すものはほとんどない。福島県石川にもバラ石英は産するが、これも自形ではない。水晶は自形のものを指す習慣があるために、バラ水晶とはいわずに、バラ石英と呼ぶことが多い。カットしてフッ酸で腐食すると結晶成長の過程がわかる。結晶面上にイオンが吸着して結晶は成長するが、そのとき不純物なども一緒に吸着する。成長速度などの成長条件の変化によって不純物の量や結晶構造の不完全性がリズミカルに変化する。この変化が薄い屑となって結晶面と平行に繰り返して重なる。積層の断面を腐食すると不純物や不完全性の多い層で腐食のされる度合が大きい。そこで結晶成長の途中においてどのような結晶形態をしていたかを知ることができる。バラ石英の結晶成長の途中には，確かに結晶面はあった結晶どうしが接して隙間を埋めてしまうと自形にはならずに他の結晶の形に支配された形になる。もし、結晶が独立していれば美しい自形の水晶になっていたのだが、なぜか、バラ石英は空間をも埋め尽くしてしまう。

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