洗濯乾燥機の問題点は、縮むだけではありません。多くの機種は洗濯より乾燥のときの容量が小さいので、衣類を目一杯入れて洗うと、そのまま乾燥することができないのです。また、「シワを抑えて、素早く乾かす」　ことを、家電メーカーは競っています。しかし、シワを抑える基本条件は、衣類の量を少なくすることなので、乾燥機の容量はさらに小さくなります。そのうえ、衣類を傷めます。ドラムを横にしているタイプや、人気の「ななめドラム」タイプも、訝燥機が運転を始めると、三時間ほどにわたって衣類を持ち上げては落とすことが繰り返されます。これは、衣類を傷める実験をしているようなもので、衣類が衝撃を受けるたびに、繊維が切れます。だからフィルターを見ると、多量の糸くずがたまっているのです。乾燥機は衣類の寿命を短くしているのです。
　メーカーは、「上手に省エネ！」などと宣伝していますが、これも誤解を招く表現です。
　メーカーの試算では、一回の洗濯にかかる電気代は二円なのに、乾燥にかかる電気代は五五円。これは省エネタイプの機種で、一般的な機種では七〇円以上かかります。こんなに電気代が高いのは、二槽式から全自動になって、脱水を大きなドラムで行うようになったため、脱水力が落ち、水をたくさん含んだ衣類を乾燥していることも原因の一つです。天日に干せば電気代はタグ。これが最高の省エネです。　いまの洗濯乾燥機には排気口がありません。では、排気がほとんど出なければ問題はないのでしょうか。洗濯乾燥機は、洗濯のときに水を節水していると宣伝しています。ところが乾燥するときに水冷式で除湿しているので、水を流しているのです。三時間も水を流しっぱなしにするので、洗濯に近いほどの水を使っていますが、そのことは書かれてい喜ん。それでも、普段は気にしなくていいのかもしれませんが、もし渇水になったら、知らずに水をムダ使いしていることになります。水をどのくらい使うのかを表示して、消費者に公正な情報を提供しておくべきです。格好のいい洗濯乾燥機をほしくなっている人は多いと思います。でも、とりあえずはいま使っている洗濯機で十分です。買い替えるときは、安くて古いタイプの全自動洗濯機でいいでしょう。子育てが終わった人は、小回りのきく二槽式が意外と便利です。花粉や梅雨の時期などは衣類を部屋に干すしかなくなることもあります。このときは、除湿乾燥機で乾燥させましょう。空気が動いていれば、むらなく衣類は乾燥しますから風量が多い方が効果的です。