ストーンヘンジは時間を知るための古代の天文台だった！
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１.スコットランドにある巨石の遺跡、ストーンヘンジは、石組みの円の直径一一四メートル、いちばん大きな石の高さが六メートルもあります。この遺跡は、古代ケルト人が紀元前四千年頃から数千年にわたって築きました。（ストーンヘンジは、大小様々な遺跡に残されています。

この数字は、いちばん有名なソールスベリー平原にあるものの大きさです。）この石は、一つで何百トンという重さがありますが、五〇キロも遠くから運んできたものです。そんな昔に重い石を運んできた目的は定かではありません。この遺跡は、夏至の日に、太陽が並んだ巨石の中央から昇るように作られています。そこで、当時この地に住んだ人々が、このヘンジで星の観測を行い、季節や作物の植え付け時期を知り、同時に宗教的な儀式を行っていたとされています。　　ストーンヘンジ⇔
　　　　　　　　　　　　　　　　
2.時計の時間・・・最初の時間は、太陽が教えてくれる時間でした。太陽は緯度によって高さが違いますから、正確な時刻を知るには地球の場所によって、影 を作る樺の角度を変えるなどの工夫が必要です。
時間を表す機械の進歩とその影響
　常識では、時間は時計で計るものです。時間の常識は時計によって形作られ、時計の発達が時間の意味を変えました。そこで、時計の歴史を見ることから、時間の考えの変遷をたどってみましょう。
日時計・太陽の時計
　人間が最初に作った時計は紀元前三〇〇〇年頃、エジプト人の手によって作られた日時計だとされています。東洋でもその頃には、中国人が日時計を作っていました。日時計が最初に作られたのは太陽が天空を動くことこそが、時間の具体的な姿だったからです。ただし、太陽の動きも単純ではありません。場所によって太陽の角度が違いますし、季節により日の出、日の入りの位置が変わります。そこで、後に知識をエジプト人から受け継いだギリシャ人は、正確な時刻を知るために、影を作る棒の角度を場所によって変えるなど、様々な工夫を凝らしたことが知られています。日時計は、その後の時計の発展にも大きな影響を与えました。今でも時計の針が右回りなのは、北半球における日時計の影の回り方をなぞっているからです。

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3.秒の誕生
時計の秒針が忙しく動くことほど、時間が過ぎてゆくことを実感させられることはありません。秒の正確さは大洋を航海する際に船のいる経度を知るために発達しました。緯度は、真南にあるときの太陽の高さからわかります。しかし経度は、星か太陽が真南を通過する時刻がわからなければ、知ることができません。地球は南北の軸の回りを回転していますから、経度は、どこかの基準とする土地での星や太陽より、海の上で観測される星や太陽が、何時間何分遅れて真南にくるかという時間観測によって計算されます。それも、広い大洋を航毎する船は、何ケ月も海の上だけで過ごすので、わずかな狂いも積もり積もってゆきます。食料が底をついたときに目的地に数日のうちに着くのか、まだ1ケ月もかかるのかを知ることは、船員の生死を分けます。そのため、正確な時計作りの腕を競う、時計技術者達のコンクールが行われました。優勝したハリソンの作った時計は、2ケ月の航海でたった2分しか狂わなかったといいます。これが1761年のことです。このとき時間は、「分」の限界を担えて、「秒」まで広がったのです。

ストーンヘンジ
とは
 4.水時計、燃焼時計、砂時計
　日時計は、雨の日や夜は使えませんし、言うまでもありませんが、室内では役に立ちません。そこで、小さな欠から流れ落ちる水の量を数える水時計が中国で考案されました。天智天皇が六六〇年に作ったという、漏刻（ろうこく）と呼ばれる日本最古の水時計は、四段になっていて、かなりの精度を持っていました。水ははじめに多く流れ出し、水が減ると流れる量が減ってきます。サイフォンを使い四段にすることは、できるだけ流量を一定にしようとした当時の技術者の工夫だったのです。燃焼時計は、夜も使える時計として発明されました。油をひものようなものに沌み込ませて燃やし、燃える油の量の減り方から経過時間を計る仕掛けです。燃焼時計は、夜は明かり取りにもなりました。燃やすものを香にして香りを楽しむと同時に、時間を計る装置にも使われました。その後、ガラスの工作技術が進むと、ガラスの細いくびれを通って落ちる砂の量から時間を計る砂時計も、持ち運べる時計として重宝されました。
漏刻一水の時計
飛鳥時代に作られた漏刻は、当時の権力者の「時間を操って世界を支配したい」という願いが込められています。水時計も燃焼時計も砂時計も、栓を開けたり火を付けたりして動かし始めるものですから、一日の時刻を計るというよりは、経過時間を計るためのタイマーだったことになります。

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